僕らのチェリー

青く晴れた空がやけに眩しく、目にしみる。

持っていたごみ箱からは異様なにおいが漂って、ますますそれで目にしみた。

焼却炉でごみを捨て終えると、誰かが澪を呼んだ。

どきり、とした。

振り向くと、そこに彼が立っていたから。


「先生がこれも捨てといてってさ」


とヨネは畳んだ段ボールを差し出した。


「あ、うん。わざわざありがとう」


彼とこうして会話を交わすのは春休みが終わってからは初めてのことで、久しぶりの二人きりに緊張感が漂った。

ヨネは焼却炉の横に段ボールを置くと、その場にしゃがみ込んだ。


「掃除、面倒くさいから終わるまで付き合って」


そう言って屈託なく笑うヨネの笑顔はいつもと変わらない。


「仕方ないなあ。相変わらずのさぼり魔なんだから」


掃除が終わるまでまだ十分もある。

澪はヨネの隣に腰掛けた。

もう暖かい季節だというのに、地面はまだひんやりと冷たい。
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