僕らのチェリー
私はショルダーバッグの中から小さな長箱を取り出した。
目が覚めるような真っ赤な色の包装紙に白いリボンで丁寧にラッピングされている。
一年遅れになってしまったけれど、このプレゼントを彼は喜んでくれるだろうか。
きっと、喜んでくれる。
私は彼の笑顔を思い浮かべて、長箱を大事に抱きしめた。
見上げると、信号はもうすぐ赤に変わろうと点滅している。
私は急いで横断歩道を渡った。
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