僕らのチェリー

三人だけだったお喋り同好会に一人増え、前より賑やかになった。

昼放課に入るたび彼は毎日かかさず教室に遊びに来ては杏奈先生とたわいもない会話を繰り広げていた。


「ヨネ君も桜が好きなの?」

「うん。先生も?」

「ええ。特にこの近くにある桜並木道に咲く桜が好きなの。だからここの高校に配属が決まったのはすごく嬉しかった」

「そうなんだ。じゃあさ来年の春一緒に見に来ようよ、桜並木道」

「それいいね。じゃあ来年が楽しみだなあ」

「うん、俺も」


窓から差し込む太陽の光で、ヨネの黒髪が栗色に変わる。

杏奈先生の髪色と、同じ色。

いつも杏奈先生の横に並んで座る彼は、変わることなく幸せそうに笑っていた。








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