僕らのチェリー
「早いなあ」
澪は思わず笑ってしまった。
と同時に、澪の目に堰を切ったように涙が溢れ出た。
あの日もそうだった。
「気をつけてね。あの場所は桜の名所だけど事故も多いから」
杏奈先生が彼と会うと聞いたあの日の夜も、ヨネと先生が付き合うと聞いた時も、二人のキスを見た時も。
あたしは笑って送り出したけど本当は寂しくて寂しくて悲しかった。
独りでいるのがどうしても耐えられなくて、気が付けばあたしは自然と恭介の携帯番号を押していた。
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