求めよ、さらば与えられん
朝目を覚ますと、顔が重かった。そして温かい。それを引っ張り上げると、子供のように無邪気な顔をしたレミーと目が合った。


朝から熱烈な愛情表現だ。



「おはよう、レミー」



そう言うとレミーは手足をばたつかせた。もしかして誕生日おめでとうって言ってくれてるのかな?



「あははっ、ありがとう」



体を起こしてレミーの頬にキスをした。頬に擦り寄られ、私もスリスリし返す。


朝から幸せ。


今日もいつもと変わらず、レミーと食堂へ朝ごはんを食べに行った。


いつもと変わらない風景。賑やかな食堂。レミーとの朝ごはん。変わった事と言えば、私の気持ちがほんの少しだけ大人になったような気持ちになった事。


部屋にレミーを送り届け、その足で薬室へ向かった。


一つ歳をとっただけというのに、足が軽やかだ。すれ違う人みんなに朝の挨拶をすると、何故か笑われてしまう。それは私があまりにも浮かれているからかもしれない……と思いつつも、ウキウキする気持ちはどうしようもない。



「おっはようございまぁす!」



っ!?


薬室に入った途端、紙吹雪が舞った。





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