求めよ、さらば与えられん
第11話 譲れない想い
お世辞にも乗り心地が良いとは言えない馬車の窓のカーテンは締め切られていて、今どの辺りにいるのか分からない。休み休み進んでいるが、お尻がジンジンする。
「大丈夫?」
隣に座るフリオンさんに心配そうに顔を覗き込まれた。フリオンさんだけじゃない。初めて戦場に出る私のことをみんな気遣ってくれる。みんなも不安な気持ちはあるはずなのに……。
「大丈夫です。 ただお尻が痛いなって……」
笑って伝えると、馬車に乗っているみんなも笑ってくれた。
「あはは、乗り慣れている私も痛いよ。 こればっかりは慣れないな」
「お尻の感覚なくなっちゃいそうです」
「そうなる前に救護所に着くと思うよ。 ただ、着いても休む間も無く働くことになるだろうから、眠れそうなら今のうちに眠っていた方がいい」
「分かりました」
後ろに寄りかかり顔を上げると、いつのまにか中に戻ってきていたアウロラと目が合った。「その者の言う通りだ。 今の内に休みなさい」と言われ、アウロラの手の平が私の目を覆った。すると突然の睡魔に襲われ、吸い込まれる様に意識が遠のいていった。
「大丈夫?」
隣に座るフリオンさんに心配そうに顔を覗き込まれた。フリオンさんだけじゃない。初めて戦場に出る私のことをみんな気遣ってくれる。みんなも不安な気持ちはあるはずなのに……。
「大丈夫です。 ただお尻が痛いなって……」
笑って伝えると、馬車に乗っているみんなも笑ってくれた。
「あはは、乗り慣れている私も痛いよ。 こればっかりは慣れないな」
「お尻の感覚なくなっちゃいそうです」
「そうなる前に救護所に着くと思うよ。 ただ、着いても休む間も無く働くことになるだろうから、眠れそうなら今のうちに眠っていた方がいい」
「分かりました」
後ろに寄りかかり顔を上げると、いつのまにか中に戻ってきていたアウロラと目が合った。「その者の言う通りだ。 今の内に休みなさい」と言われ、アウロラの手の平が私の目を覆った。すると突然の睡魔に襲われ、吸い込まれる様に意識が遠のいていった。