求めよ、さらば与えられん
陽が落ちると共に、争いの音もなくなっていった。


魔力を使う者、使わない者に関わらず、みんな疲れ切っていた。手当てをする合間に、疲れを取る調合したお茶を少しずつ配って回った。


私もこれ程力を使ったのは初めてで、正直体よりも心の疲れを感じた。



「大丈夫か?」

「大丈夫……とは言えないかも……」



心配してくれるアウロラに元気を取り繕う余裕はなかった。取り繕ったところで直ぐにバレてしまうだろう。



「そなたにこんな事を申しても笑って流すであろうが……あまり無理をするでないぞ」

「……善処します」



そう返事をすると、アウロラから困った顔をされてしまった。


ほんの少し休憩して、体力回復のお茶を持ってフリオンさんたちの部屋へ向かった。取り乱してしまった事、ちゃんと謝ろう。


部屋の扉をノックして入ると、フリオンさん、医師長、カステルさん、他にも偉い感じの人達、それにジーン王子も居た。


ただならぬ空気に内心慌てた。



「申し訳ありません。 体力回復にとお茶をお待ちしたんですが、出直します」



慌てて部屋を出て行こうとしたら、ジーン王子から「頂こう」と言われ驚いた。





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