求めよ、さらば与えられん
眠っていると、耳元で声がした。


ん……何?



「ベアトリーチェ」



だんだんと意識が戻っていくと、その声の主がハッキリした。



「どうしの? アウロラ」



周りの人を起こしてしまわないように、小さな声でアウロラと話をした。



「え? どういう事?」



まだ頭がぼーっとしてて上手く働かない。



「結界のすぐ側に人がおる」

「え?」

「恐らく敵国の者であろう」



敵国?それって__!



「間違いないの!?」

「上手く隠しておるつもりであろうが、微かに殺気が漏れておる」



私は救護隊のテントを飛び出した。外に立っていた騎士にカステルさんの元へ案内してもらうと、そこにはダミアンさんとジーン王子がいた。


人には寝ろって言ったくせに自分は休みもせず何してるの!?



「ベアトリーチェ殿、どうかなさったんですか?」



そうだった!



「あ、あの! 気のせいかもしれないんですけど、結界の外に人の気配がした気がして……」

「結界の外にも騎士や兵士が配置されていますからね」



あ、いや!そういう事じゃなくて…どう言ったら伝わるんだろう。アウロラの事を話すわけにもいかないし……。





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