求めよ、さらば与えられん
第12話 無くならない愛情
「ここに風使いはおるか?」
アウロラに尋ねられ、ジーン王子に聞いてみた。
「風使いならばシモンの右に出るものはいないだろう」
国王陛下に言われ一歩前に出てきたのは、国王陛下と同じ歳くらいの長い緑がかった髪をひとつに束ねた男性だった。
「ベアトリーチェ殿、失礼ですが貴女の力がどんなものか伺いたい」
「私は皆さんみたいに風や火や水……そういう力は使えません。 けど私には癒しの力があります」
「癒し……?」
信じられないという顔をされた。シモンさんだけじゃなくて、みんなそんな顔をしてる。
「寿命や病気は直接的にどうにかする事は出来ませんけど、怪我を治すことができます。 だから毒もどうにかできると思うんです」
一生懸命考えながら説明をするけど、中々理解できないのか、みんなの反応が悪い。
私はジーン王子の胸に手を当てた。
「見てもらうのが一番早い」
力を流し込むとジーン王子の身体中に付いた傷がどんどん塞がっていった。顔色も良くなっていく。
「凄い……凄いよベアトリーチェ!!」
重苦しい雰囲気の中、純粋に喜んでくれるルネ王子の存在に助けられた。
アウロラに尋ねられ、ジーン王子に聞いてみた。
「風使いならばシモンの右に出るものはいないだろう」
国王陛下に言われ一歩前に出てきたのは、国王陛下と同じ歳くらいの長い緑がかった髪をひとつに束ねた男性だった。
「ベアトリーチェ殿、失礼ですが貴女の力がどんなものか伺いたい」
「私は皆さんみたいに風や火や水……そういう力は使えません。 けど私には癒しの力があります」
「癒し……?」
信じられないという顔をされた。シモンさんだけじゃなくて、みんなそんな顔をしてる。
「寿命や病気は直接的にどうにかする事は出来ませんけど、怪我を治すことができます。 だから毒もどうにかできると思うんです」
一生懸命考えながら説明をするけど、中々理解できないのか、みんなの反応が悪い。
私はジーン王子の胸に手を当てた。
「見てもらうのが一番早い」
力を流し込むとジーン王子の身体中に付いた傷がどんどん塞がっていった。顔色も良くなっていく。
「凄い……凄いよベアトリーチェ!!」
重苦しい雰囲気の中、純粋に喜んでくれるルネ王子の存在に助けられた。