求めよ、さらば与えられん
アウロラは私の顔を見ると「ふふっ」と妖艶に微笑んだ。どんな時でもアウロラの美しさは健在だ。



「どうやらそなたの力が高まっている所為で、わらわの姿が他の者にも見えやすくなってしまったようだ」



私の力が?


思わず手や身体を見てみるけど変わったところはどこもない。



「それにしてもまったく……悪運の尽きぬ坊やだこと」

「お前こそ相変わらずの毒々しさだな」

「幻の花と謳われるわらわを毒と申すか? 可愛げのない」



え?え!?何この二人のやり取り!知り合いだったの!?



「ど、どういう関係!?」




親指と人差し指で1センチ程の幅を開けながら、「こやつがこれくらいの時に世話をしてやっただけの事」と可笑しそうにアウロラは言った。



「今度泣きべそをかいていた頃の坊やの話をしてやろう」

「そんなに小さくもなかったし、泣きべそなどかいたことはない」



アウロラは笑いながら私を背後から抱きしめた。



「さて、皆に挨拶をするとしよう。 わらわは虹花が精霊アウロラ。 人ならざる者だ」

「アウロラ……ベアトリーチェが咲かせた虹花か……」



長年虹花の研究をしてきた薬室長は驚きながらも目を輝かせている。研究者としての血が騒ぐのだろう。




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