求めよ、さらば与えられん
「マクブレイン国、国王ヴィクトル・マクブレインよ。 そなたに申しておきたい事がある」

「なんだ」

「正直言ってわらわはこの国がどうなろうと知った事ではない。 だが我が主人は今の状況を憂いておる。 亡き父との約束を破ってまでこの国を助けたいと申す。 主人がそうしたいのならばわらわは主人の為に働こう。 だがしかし、そんな主人に対し非礼な態度をとる事があれば、人間に変わりわらわがこの国を葬ろうぞ」

「アウロラ!!」



なんて物騒な事を言うの!?それもこんな時に……!!



「心配はいらない。 私も出来る限りベアトリーチェの力となろう」

「坊や、そなたもだ。 わらわと約束できるか?」

「お前に言われずとも分かっている」

「そうか、ではお主らの言葉、信じるとしよう。 して、そなたシモンと申したな」



今やこの場はアウロラの独壇場となっている。誰に対しても堂々としていて凄いと思う。



「そなたの力とベアトリーチェの力、わらわが間に入り共鳴させるゆえ、普段通りに力を使ってくれればよい」

「分かりました」

「ベアトリーチェ」

「は、はい!」



思わず敬語になってしまった。



「ふふっ、何を緊張しておる。 そなたもいつも通り強く願うだけでよい」

「願う……」

「その想いが力の…わらわの糧となる」





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