求めよ、さらば与えられん
どうすればみんなに恩返しが出来るんだろう?私に一体何が出来るんだろう?


ハッとしてジーン王子から体を離した。



「ベアトリーチェ?」

「結婚式、は……?」

「結婚式?」

「っ__」



一瞬言葉に詰まった。



「あ、貴方とグレース王女の結婚式__!!」



声が震えてしまった。知りたくないけど、気になる。もしかして眠っている内に終わってしまった?アウロラはその話を私にし辛くて何も言わなかった?



「何の話だ」



何の話って……貴方こそよく分かってるでしょ!?



「国王陛下から聞いた……ベルギウス国との戦争が終わったら、貴方とグレース王女の婚礼の儀を行うって……っ」

「グレースとは婚約を解消した」

「え……? 嘘……」

「嘘じゃない。 元々俺たちの婚約はお互いの利害が一致したからだ」

「利害……?」

「グレースは政略結婚させられそうになり、それを阻止したかった。 その時丁度俺は婚約話を振られる事が多くて煩わしかった。 女避けの為にグレースと手を組んでいた。 だが、状況が変わった」





< 187 / 334 >

この作品をシェア

pagetop