求めよ、さらば与えられん
朝方マクブレイン城へ帰り着いた。


何度も見上げた事のあるマクブレイン城。だけど何故だか妙に清々しい気持ちで、靄が晴れて見えた。


ん？なんか……やけに馬車が多くない？気のせいかな？多かろうと少なかろうと私には関係ないか！急いで仕事の準備しなきゃ！


急いで仕事の準備を済ませ、私は久しぶりに薬室へ向かった。



「おはようございます！」



元気よく挨拶をすると、みんな笑顔で返してくれた。



「もう具合はいいの？」



フリオンさんが優しく声を掛けてきてくれた。



「はい！ 長くお休み頂いてしまってすみません。 それに帰省までしてしまって……」

「いいんだよ。 ベアトリーチェには無理をさせてしまったし、長く休みを取った事もなかったんだし、気にすることはないよ」



長期休みを頂いた上帰省させてもらって、もの凄く有り難かったはずなのに、私としたことがお土産を買って帰るのを忘れてしまった。それどころじゃなかったのは確かだけど、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。



「うわっ＿＿」

「ビーチェ！ おはよう！！」



勢いよく後ろからロアナに抱きつかれてよろけてしまった。




< 198 / 334 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop