求めよ、さらば与えられん
第14話 毒花
ここ2、3日イライラが止まらない。何よあれ！


お昼休みになって薬室を出た。今日は食堂でパンでも買って外で食べよう。いいお天気だし。こういう気分の時に一人でご飯って悲しい。



「はぁ……」



パンを食べながら思わずため息が漏れた。



「そなたの悪い癖だ」



アウロラの呆れた声が聞こえてきた。



「言いたい事も言えぬ仲など只の他人も同然。 顔見知り程度ではないか？ そなたも分かっておろうに」



アウロラが言ってる意味も分かる。言わんとしてる事も……。



「ジーン王子のせいじゃないし…言って喧嘩になるのもやだし……」

「思う事があるのなら、伝えねば何も変わらぬ。 そなたの想いを受け止められぬ男ならばさっさと捨ててしまえばよい。 そなたらはわらわ達とは違い短い生涯なのだから」



もしもママに相談していたら、同じような事を言われていたんだろうか？



「アウロラもヤキモチ妬いたことある？」

「何年生きておると思おとる。 わらわは語りきれぬ程の経験をしておるぞ。 そなたの悩みは可愛いものだ。 もしも坊やがそなたを傷付けたなら、わらわが恐ろしい程の仕返しをしてやろうぞ」

「アウロラが言うと冗談に聞こえないよ」

「冗談ではないからな」



真顔で言われ、笑ってしまった。


ジーン王子は私がこんな感情と戦ってるとは思ってないだろう。でも、何かで悩んでいるということは気づいてそうだ。





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