求めよ、さらば与えられん
第16話 つきまとう影
相手が……アウロラが動かんとした時、漆黒の閃光が走った。それは一瞬の出来事で、瞬きするよりも速かった。
トゥーラン国の騎士達がみんな倒れていく。何が起こったの?__っ!?
信じられない光景に息を飲んだ。首が__っ。
「殲滅(せんめつ)しろ」
恐ろしい程低く冷たい声が凍りついた空気の中静かに響き渡った。
「承知致しました」
よく知る3人の声が重なった。知ってる筈なのに、知らない人の様だった。
気付けば目の前にはジーンの顔があった。
「遅くなってすまない、ベアトリーチェ」
「っ__」
「アウロラ、礼を言う」
「そなたに礼を言われる事などしておらぬ。 わらわは当たり前のことをしたまでだ」
周りから悲鳴や苦しむ声……色んな声が聞こえてくる。逃げる人たち。立ち向かう騎士達。もうグチャグチャだった。
「止め、て……っ、ジーン! お願いだから__っ」
涙でビショビショになった私の頬を、ジーンは優しく拭った。
「……それは聞けないお願いだ」
「え……?」
「アウロラ、ベアトリーチェを頼んだ」
そう言うと、ジーンは私に背を向けた。
「待って__!!!!!」
引き止めようと手を伸ばした。でもその手は空気を掴んだだけだった。ジーンはすり抜けて行ってしまった。
どうして……ねぇ、どうして……。
地面がどんどん血に染まっていく。
トゥーラン国の騎士達がみんな倒れていく。何が起こったの?__っ!?
信じられない光景に息を飲んだ。首が__っ。
「殲滅(せんめつ)しろ」
恐ろしい程低く冷たい声が凍りついた空気の中静かに響き渡った。
「承知致しました」
よく知る3人の声が重なった。知ってる筈なのに、知らない人の様だった。
気付けば目の前にはジーンの顔があった。
「遅くなってすまない、ベアトリーチェ」
「っ__」
「アウロラ、礼を言う」
「そなたに礼を言われる事などしておらぬ。 わらわは当たり前のことをしたまでだ」
周りから悲鳴や苦しむ声……色んな声が聞こえてくる。逃げる人たち。立ち向かう騎士達。もうグチャグチャだった。
「止め、て……っ、ジーン! お願いだから__っ」
涙でビショビショになった私の頬を、ジーンは優しく拭った。
「……それは聞けないお願いだ」
「え……?」
「アウロラ、ベアトリーチェを頼んだ」
そう言うと、ジーンは私に背を向けた。
「待って__!!!!!」
引き止めようと手を伸ばした。でもその手は空気を掴んだだけだった。ジーンはすり抜けて行ってしまった。
どうして……ねぇ、どうして……。
地面がどんどん血に染まっていく。