求めよ、さらば与えられん
そうだ、私も抗体を持ってる。


赤ちゃんの時はまだ免疫が弱くて毒の影響を強く受けてしまったと言っていた。けど今は違う。それなのに私の胸はくっきりと毒を刻んでいる。



「呪いを掛けられたものが呪いを発動させてしまうということは、術に屈してしまったということ。 そうなれば呪いを拒む事は許されない。 すなわち毒も有効となる」

「…………」



じゃあ…私の身体の毒はどうにもならない?毒に侵され続けるの?死んでしまうの?



「ブローチをアヴァに渡すよりも、貴女を狙った方が楽しめそうだと思って予定を変更したの。 さっきも話した通り、退屈だったけれど」



気が付けば手を振り上げていた。楽しそうに笑うエデ伯母さまの頬めがけて振り下ろした。けどその手は虚しく空気を切っただけだった。


立ち上がったエデ伯母さまは余裕の笑みで私を見下ろしている。


立ち上がろうとするのに身体に力が入らない。



「動くと毒が回ってしまうわよ? 死ぬのは嫌でしょう?」

「っ__、殺すつもりなんでしょう!?」

「さぁ? どうかしら。 貴女次第よ」

「どういうこと?」

「人間界が亡ぶところを見せてあげるわ。 その時の貴女の顔を見て生かすか否かを決めてあげる」



エデ伯母さまの言葉を聞いて、今までの出来事が蘇る。スパイ……。



「他国に情報を売っていたのはエデ伯母さまなの……?」





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