求めよ、さらば与えられん
エデ伯母さまの顔を見ただけで、言葉を聞かなくたって答えが分かってしまった。それなのに言葉を待ってしまうのはどうしただろう。心の何処かで否定してくれるんじゃないかと、甘ったれた思いが潜んでいるから?それとも、ちゃんと確信を持ちたいから?


考えることの多さ、入り乱れる感情、怠さを増していく身体のせいで、頭の中がおかしな事になっている。



「せっかく情報を渡してあげたのにベルギウスは負けてしまったわね。 残念。 次の遊びが思い付くまでの暇潰しに貴女に花を送ったんだけど、貴女よりもアウロラの方が怯えた顔をしちゃって、あれはあれで楽しめたわ。 嬉しい誤算だったわね」



次から次に饒舌に語られる真実。それは私に関わりのあった事。苦しい思いをした。悲しい思いをした。そんな思いをしたのは私だけじゃない。思い出すだけでも胸が苦しくなる。


この人はどうして笑っていられるの?



「各国にお手紙を届けたのよ? とても素敵な力だもの。 みんなに知ってもらった方がいいと思ったの」



ジャン王子にも届けられていた手紙。どうやって各国に届ける事が出来たんだろうって思ってたけど、精霊であるエデ伯母さまならどうにでも出来たんだろうと思う。


私は知らない間にこの人の掌の上で踊らされていたんだ。





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