求めよ、さらば与えられん
第19話 優しい強さ
一瞬暗くなったかと思ったら、直ぐに目の前は明るくなった。
「ここ……」
「僕の部屋だよ」
本当だ。往診の時にいつも見ていたベッド。そのベッドにそっと寝かせてくれた。
「いつもと、逆になっちゃった……」
「うん、そうだね」
笑いながらもクリストフの顔は今にも泣いてしまいそうに見えた。
何も悪くないのに……どこまでも優しい人。
「ここには結界を張ってるから、母様は手を出せない。 僕は臆病者だから、守りの術に関しては自信があるんだ。 だから安心して」
「貴方は、臆病者ものなんかじゃないよ。 私を助けてくれた……ありがと…クリストフ」
「……今は眠った方がいい。 その間に治療するから」
私は首を横に振った。それを見てクリストフは「何故?」と言いたげな顔をした。
「いつも、眠ってる間に終わってしまう。 私は私の事を知らない。 それが歯痒くて情けなくて…嫌、なの……」
肝心な事はいつだってパパやヘンリー、ジーン……周りの人たちがやってしまう。それは私が弱いからだ。いつまでも甘えてばかりいたくない。辛い事ばかりを周りに委ねてばかりいられない。
「分かった。 今から毒の治療をするよ。 どこまで抑えられるか分からないけど、中和剤を入れていく」
準備をしてくれているクリストフの姿がどうしても霞んでしまう。何度目を瞑って開けようとも変わらない。
そしてフワフワした感覚。フカフカしたベッドに横になってるけど、それとはまた違う感覚。
「ここ……」
「僕の部屋だよ」
本当だ。往診の時にいつも見ていたベッド。そのベッドにそっと寝かせてくれた。
「いつもと、逆になっちゃった……」
「うん、そうだね」
笑いながらもクリストフの顔は今にも泣いてしまいそうに見えた。
何も悪くないのに……どこまでも優しい人。
「ここには結界を張ってるから、母様は手を出せない。 僕は臆病者だから、守りの術に関しては自信があるんだ。 だから安心して」
「貴方は、臆病者ものなんかじゃないよ。 私を助けてくれた……ありがと…クリストフ」
「……今は眠った方がいい。 その間に治療するから」
私は首を横に振った。それを見てクリストフは「何故?」と言いたげな顔をした。
「いつも、眠ってる間に終わってしまう。 私は私の事を知らない。 それが歯痒くて情けなくて…嫌、なの……」
肝心な事はいつだってパパやヘンリー、ジーン……周りの人たちがやってしまう。それは私が弱いからだ。いつまでも甘えてばかりいたくない。辛い事ばかりを周りに委ねてばかりいられない。
「分かった。 今から毒の治療をするよ。 どこまで抑えられるか分からないけど、中和剤を入れていく」
準備をしてくれているクリストフの姿がどうしても霞んでしまう。何度目を瞑って開けようとも変わらない。
そしてフワフワした感覚。フカフカしたベッドに横になってるけど、それとはまた違う感覚。