求めよ、さらば与えられん
「……母様はその後どうなったの?」

「エデの力で家族や友人、恋人…大切なものたちを喪った精霊達は怒り狂い、精霊王の元へとやってきた。 まだ幼きエデは怯え震える事しか出来なかった。 その皆の心を癒し、怒りを治めたのがアヴァだったのだ」

「お母さんが?」

「そうだ。 その時アヴァもエデの毒を受け、苦しんでいた。 だが、アヴァの皆を助けたいと思う心が癒しの力を発動させたのだ。 それがアヴァの初めての力の覚醒だった」



癒しの力……それは怪我を癒すだけの力だと思ってた。心も救えるの?だとしたら、これから私にできることは増えるんじゃないんだろうか。



「そして精霊王はエデを王宮の離れに隔離した」

「「隔離?」」



クリストフと声が重なった。



「使用人達はエデを恐れ、近づかなかった……いや、近づけなかったと言うた方が正しいであろう。 それに加え、王宮に使えるもの達の目も冷たいものとなった。 その所為でエデは悪夢にうなされ、感情のコントロールもままならず、力をうまく制御する事も出来ず、手がつけられぬ状態となった」

「だから母様を隔離したと? そんなっ__そんなのあんまりじゃないか!!!!」






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