求めよ、さらば与えられん
クリストフは一度口を開いたけど、すぐに閉じてしまった。それを見てアウロラは笑みを深めた。



「分からぬか? 坊や、そなたなら分かるであろう?」



アウロラは振り返るとジーンにそう言った。


ジーンの真剣な横顔を見た。



「思い上がり、自信家、傲慢、過信……と言ったところか」

「遠慮なくズケズケと言うてくれるものだ。 本当に可愛げのない坊やだこと」

「先に喧嘩を売ったのはお前の方だろ」



喧嘩を売った?



「どういうこと?」



尋ねるとジーンは私の顔を見て苦笑いを浮かべた。



「俺も立場上頼られる事が多い。 力も強い事を自覚している。 だからアウロラは俺も同じようなものだから分かるだろう?と言いたかったんだ」

「なるほど」



ジーンにギュッと頬っぺたをつねられた。でもつねったところを直ぐに撫でてくれた。


確かにジーンと出会ってよく知るまではそんな風に感じた事もある。



「そなたの身体には確かにプワゾンの力が流れておるが、その影響を抑えておるのはマクブレイン家の気高く強い血であろう」

「気高く、強い…血……?」

「そうだ。 そなたは誰にも相談も頼ることも出来ず、ずっと一人で戦っておったのであろう? プワゾンの力を受け入れ身を任せた方が楽であっただろうに、そうはしなかった。 何故だ」





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