求めよ、さらば与えられん
その日の夜、アウロラとレミーとくつろいでいるとジーンが帰ってきた。


疲れた顔をしてる。今日に始まった事ではない。



「おかえりなさい!」

「ただいま」



ジーンに駆け寄り勢いよく抱きついた。少しも隙間ができない様に、広い背中に腕を回した。


こうしてジーンにくっついてると安心する。幸せな気持ちになる。


くっついたままジーンの顔を見上げると、唇が重なった。キスをしない日はない。そして体を離すと決まって私の手を取り、指先にも優しくキスをしてくれる。



「今日も力を使ったな」



少し低めの声。顔を見なくても怒ってるって分かる。



「力を使うなと言うなら私は死んだ方がマシだわ」



そう言うと必ずジーンは眉をひそめる。怒り……というよりも、不機嫌そうな顔になる。


ジーンには全て話している。だから力を使う度に私の命が削られていることも分かっている。



「気持ちは分かるが、自分の命も大切にしてくれ」

「分かってる。 心配ばかりかけてごめんなさい」



ジーンの頬に手を添え、背伸びをした。唇を重ね、ジーンの胸元に頭を寄せた。


ジーンの気持ちは凄く嬉しい。その気持ちをもらえただけで充分。幸せを感じた分、何かをせずにはいられない。





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