求めよ、さらば与えられん
クリストフはエデ伯母さまの目の前で両手を広げた。エデ伯母さまは怪訝そうな顔をして口を開いた。
「それは何かしら?」
「今日から新しい世界になるんだ。 記念に抱擁を交わすくらいいいでしょ?」
少し考えるそぶりを見せたエデ伯母さま。だけど「まぁいいわ」と言ってクリストフの方へ体を向けた。
「ありがとう。 それから、父様……申し訳ありません」
クリストフは伏し目がちに国王陛下に謝ると、エデ伯母さまを抱きしめた。
怪我をして血だらけになっている人たち、苦しみもがく人たち……そんな混乱している中での抱擁。この場に似つかわしくない光景。
そして側にいるアウロラの殺気は増していく。
「いい加減離してちょうだい」
エデ伯母さまの言葉なんて耳に入っていないかのように抱きしめ続けているクリストフ。そんな彼から離れようともがくエデ伯母さま。
「離しなさ__」
「子供の頃からこうして抱きしめて欲しいと思ってた」
「何を言っ__」
「でも結局抱きしめさせてはくれても抱きしめてはくれない。 母様に愛されていないと知りながらも、僕は母様への愛情を捨てられなかった」
クリストフ……?
「母様……愛しているよ。 だから僕が楽にしてあげる」
「それは何かしら?」
「今日から新しい世界になるんだ。 記念に抱擁を交わすくらいいいでしょ?」
少し考えるそぶりを見せたエデ伯母さま。だけど「まぁいいわ」と言ってクリストフの方へ体を向けた。
「ありがとう。 それから、父様……申し訳ありません」
クリストフは伏し目がちに国王陛下に謝ると、エデ伯母さまを抱きしめた。
怪我をして血だらけになっている人たち、苦しみもがく人たち……そんな混乱している中での抱擁。この場に似つかわしくない光景。
そして側にいるアウロラの殺気は増していく。
「いい加減離してちょうだい」
エデ伯母さまの言葉なんて耳に入っていないかのように抱きしめ続けているクリストフ。そんな彼から離れようともがくエデ伯母さま。
「離しなさ__」
「子供の頃からこうして抱きしめて欲しいと思ってた」
「何を言っ__」
「でも結局抱きしめさせてはくれても抱きしめてはくれない。 母様に愛されていないと知りながらも、僕は母様への愛情を捨てられなかった」
クリストフ……?
「母様……愛しているよ。 だから僕が楽にしてあげる」