求めよ、さらば与えられん
「ヴィクトル、クリストフ、エデをここへ連れてきてはもらえぬか」
国王陛下がエデ伯母さまを抱え、私たちのところまで歩いてきた。側には目を潤ませたクリストフもいる。
「お互いボロボロだな」
「ふふっ、本当にね……もう疲れたわ……」
「そなたは全く……しょうのない奴だこと……」
今のエデ伯母さまからは嫌な感じがしなかった。怪しさも影も感じられない。私を殺そうとしたエデ伯母さまと同一人物だと思えない程、穏和だ。
まるで憑き物が落ちたみたいに見える。
「最期に言うておくことはないか」
「そうね……ヴィクトル、わたくしは貴方と出会えて確かに幸せを感じたわ。 感謝しているわ、ありがとう」
「私も幸せだったよ、パメラ」
国王陛下にとっては精霊のエデじゃない。出会ってから今も愛した女性_パメラなんだ。
「クリストフ」
「は、はい__っ」
「弱い母でごめんなさい」
「……え?」
「愛していなかったわけじゃない……愛することが怖くて、貴方を遠ざけた。 力のことで貴方に恨まれているのではないかと、怯えていたの……わたくしはただ貴方から逃げていただけ……ごめんなさい」
クリストフは消えゆくエデ伯母さまの体を泣きながら抱きしめた。そして「母様、大好きだよ」と涙声で告げた。
国王陛下がエデ伯母さまを抱え、私たちのところまで歩いてきた。側には目を潤ませたクリストフもいる。
「お互いボロボロだな」
「ふふっ、本当にね……もう疲れたわ……」
「そなたは全く……しょうのない奴だこと……」
今のエデ伯母さまからは嫌な感じがしなかった。怪しさも影も感じられない。私を殺そうとしたエデ伯母さまと同一人物だと思えない程、穏和だ。
まるで憑き物が落ちたみたいに見える。
「最期に言うておくことはないか」
「そうね……ヴィクトル、わたくしは貴方と出会えて確かに幸せを感じたわ。 感謝しているわ、ありがとう」
「私も幸せだったよ、パメラ」
国王陛下にとっては精霊のエデじゃない。出会ってから今も愛した女性_パメラなんだ。
「クリストフ」
「は、はい__っ」
「弱い母でごめんなさい」
「……え?」
「愛していなかったわけじゃない……愛することが怖くて、貴方を遠ざけた。 力のことで貴方に恨まれているのではないかと、怯えていたの……わたくしはただ貴方から逃げていただけ……ごめんなさい」
クリストフは消えゆくエデ伯母さまの体を泣きながら抱きしめた。そして「母様、大好きだよ」と涙声で告げた。