求めよ、さらば与えられん
仕事を終えて自分の部屋に戻ると、ピョーン!っと勢いよくレミーが肩に飛び乗って来た。



「ただいま。 今日もひとりで良い子にしてた?」



レミーは頬にすり寄ってきた。


本当は何処に行くにも一緒にいたい。だけど薬室は動物は入れられない決まりになっている。ありとあらゆる薬草を取り扱っているから。薬は毒にも成りうる為、誤って口にしてしまわない様に、動物や子供は立ち入り禁止。



「お腹空いたよね? 急いで着替えるね!」



仕事の日は部屋に戻ると直ぐに着替えて、レミーと一緒に食堂に行く準備をする。


今はレミーだけが一緒にいられる家族。こっちに来てレミーの存在に何度癒され、救われたか分からない。


私と血が繋がっているであろうアゼルとはあの日以来一度も会ってない。会いたいとも思わないけど。


_コンコンコン。


ちょうど着替え終えるとドアをノックされた。



「はぁい」



ドアを開けるとメイド服を着た女性が立っていた。凛々しく上品な出で立ちのメイドさんの襟元には、金色の百合のバッジが光っている。





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