求めよ、さらば与えられん
メイドさんが私に何の用?部屋間違えたのかな?



「わたくし、メイド長のオルセンと申します。 薬師のベアトリーチェさんでいらっしゃいますか?」

「は、はい……」



本当に私に用だったんだ。



「今晩、こちらをお召しになってお部屋でお待ちください」

「え……?」



白いドレスを差し出された。困惑してる私の事なんか御構い無しで、手を引っ込めようとはしない。よく分からないけどドレスを受け取った。凄く滑らかな触り心地。普段高価な物とは縁のない生活だけど、これはきっといい生地だろう。



「それでは失れ__」

「あの! どうして私にこれを!?」



立ち去ろうとしたメイド長を慌てて引き止めた。



「国王陛下が貴女とお話になりたいそうです。 その時にこちらのドレスを……と、言付かっております」

「え!? 国王へ__」

「それでは失礼致します」



今度は私が言葉を遮られ、メイド室長はさっさと行ってしまった。


えぇ!?もっとちゃんと説明してくれてもよくない!?訳わかんない。


呆気にとられてる私の頭にレミーが飛び乗って来た。人の気も知らないで……。



「食堂行こっか」



ドレスをハンガーに掛けて食堂に向かった。





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