求めよ、さらば与えられん
「国王陛下の体調まだ芳しくないんですか?」



昨日伺った時は大丈夫そうだったんだけど……。無理してたのかな?



「……と、まぁ国王陛下からはそう伝える様言われたが、本当のところそれも違う」

「え?」



もー訳わかんない。どういうこと?



「ベアトリーチェの息抜きになればとお考えだ」

「私の?ですか?」

「国王陛下は娘の様に思っている君にも楽しんで欲しいそうだ。 これを踏まえた上で参加するかどうか決めてくれ」

「強制じゃないんですか?」

「勿論だ。 これは仕事ではないからね」



昨日会った時に言ってくれれば良かったのにって思ったけど、直ぐに言えなかったんだと思った。国王陛下が言えば私が断りたくても断れないと思ったに違いない。



「お言葉に甘えて参加させて頂きます」

「そうか、それは良かった。 きっと国王陛下もお喜びに__」

「あ! でもドレス持ってないです! 靴も!!」



お給料もらってるとは言え、ドレスや靴を買えるほどのお金はない。



「あぁ、すまない。 言い忘れていたが、ドレスや靴は国王陛下が用意して下さるそうだ」

「えぇ!? それは幾ら何でも申し訳ないですよ!!」

「そこまでして下さる程、君が信頼に値する働きをしているという事だ。 この件に関しては甘えさせて頂きなさい」

「……はい」



今度国王陛下にお会いしたらちゃんとお礼を言わなきゃ。





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