求めよ、さらば与えられん
パーティー会場は凄かった。最初に頭に浮かんだ言葉がとにかく“凄い”だった。


キラキラしてる。女の人も男の人もみんな。そんなキラキラした人達の中にいても、国王陛下、そして王子様達は直ぐに見つけられた。


国王陛下の隣にいる女性は王妃様かな?基本後宮にいらっしゃるからお見かけすることはない。


会場に入るなり薬室長はいろんな方から声をかけられ、私は邪魔をしないように少し距離をとった。顔が広いんだな。



「ビーチェ!」

「ロアナ!」



知らない人ばかりだったから、ロアナの顔を見た途端ホッとした。



「やっぱりそのドレス似合ってる! 凄く素敵!」

「ありがとう! ビーチェも凄く素敵! それに髪の毛もお化粧もバッチリじゃない!」

「本当!? 良かった。 不安でしょうがなかったの」

「綺麗に着飾らなくたってビーチェは綺麗だよ。 だからもっと自信を持って!」



ロアナはいつだって前向きな言葉で私を元気にさせてくれる。この国に来てからロアナの存在は私にとって凄く心強い。



「それにしても薬室長は大変だね」

「本当だよね。 あんなに知り合いが多いなんて知らなかった」

「知人もいるだろうけど、殆どが取り入ろうとしてる人じゃない?」





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