求めよ、さらば与えられん
挨拶の時に初めてチューされた!いや、手の甲だけど!手の甲なんだけど!は、恥ずかしい!!



「ビーチェってば顔真っ赤!」



ロアナに大笑いされた。余計顔が熱くなる。



「綺麗な上に可愛らしいお嬢さんだね」

「い、いえ! そんな事はなななないです!」



ラウルさんってばお世辞が上手!!お世辞って分かってても嬉しいし照れる。


会場内がざわつき始めた。


国王陛下が立ち上がり、前に足を進めた。



「本日はお忙しい中我が息子、クリストフの為お集まり頂き心より感謝申し上げる! 思う存分楽しんで頂きたい!」



そう言って国王陛下がグラスを高々と持ち上げた。周りの人たちもグラスを持ち上げた。慌てて近くのテーブルからグラスを取り真似するように持ち上げた。



「クリストフが誕生して17年目の今日を祝して、乾杯!!!!」



周りからも大きな「乾杯」の声が聞こえ、遅れながらも「乾杯」と口にした。


みんな美味しそうにお酒を口にしてるけど、飲もうかどうか躊躇った。



「飲まないの?」

「お酒、飲んだ事なくて……」

「え!? そうなの!? 16歳の誕生日で飲まなかったの!?」



うちは基本お酒を置いてなかったから、ヘンリーはわざわざ飲む必要はないといって特に用意していなかった。お酒の代わりにと、ケーキを二種類用意してくれていた。甘いものが好きだから、私も別にそれでいいと思ってた。





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