求めよ、さらば与えられん
失礼だったかな?でも知ったかぶりする方が失礼だよね?



「先日街までお迎えに上がりました」



あ!あの時の人!?慌ててたせいで顔なんて全然見てなかった。



「迎えに着て頂いて有難うございました!! 私はベアトリーチェと申します! 宜しくお願いいたします!!」



慌てて頭を下げると笑われてしまった。



「話は戻りますが、折角ですから踊らないと勿体無いですよ?」

「なんか私には場違いというか、なんというか……落ち着かないです」



会場の中を見ると自然と目を細めてしまう。私には眩しすぎる光景だ。



「でも貴女はこの煌びやかな世界にいるはずの方だ」

「え……?」



一瞬何を言われたか分からなかった。驚いて顔を見ると、カステルさんはさっきと変わらない笑みを浮かべていた。



「バルドックの教会で貴女を鳥籠に入れたのは私ですよ? それもお忘れですか?」



あの時は鳥籠に感動していて術者まで覚えていない。私ってばダメダメね。



「ごめんなさい。 あの時はカステルさんの魔力に感動してしまって、あの場にいた人で覚えてるのはジーン王子だけなんです」



カステルさんはキョトンとした顔をしたかと思ったら、お腹を抱えて笑い始めた。





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