求めよ、さらば与えられん
あれ?そういえば……レミーは?何処まで行っちゃたの?辺りを見渡してもレミーの姿がない。



「レミー!」



名前を呼んでも戻ってくる気配がない。広いバルコニーを探してみても姿は見えない。


もーどこ行っちゃったの!?


下の庭園にいるかもしれないと思い、慣れないドレスを着たまま庭園に向かった。


着いて思わず顔が引きつった。上から見てものすごい広さなのは分かってたけど、目の前で見ると更に広く感じる。とにかく探そう!



「レミー! 何処いるのー! 帰るよー!」



シーンとしてる上に灯りはお城から溢れる光のみ。ちょっと不気味。おまけに今晩は風が強くて肌寒い。


両手で肩を抱いた。腕をさすりながら転んでしまわない様にゆっくり歩いた。


本当……何処行ったの……。


途方に暮れた私は見つけた椅子に座った。石で出来てるからかお尻が冷える感じがする。


足が痛くて靴を脱ぐと、踵(かかと)にマメができていた。右足のマメ潰れてる。痛いわけだよ。


慣れない靴で歩きすぎた。少し休んでからレミーを探そう。


お城を見るとパーティー会場はまだキラキラしていた。


カステルさんはああ言ってたけど、私には似合わない場所だと思う。ああいう場に当たり前の様な顔をして立っている自分の姿が想像できない。


膝を立てて顔を埋めた。なんか疲れた。



「どうした」





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