求めよ、さらば与えられん
「花を一輪摘もうとしただけだよ」



キョトンとした顔をしているルネ王子。そりゃそうだよね。急に大きな声出して現れたらビックリするよね。



「お花の近くにあるこの葉っぱはウルナの葉と言います。 別名かぶれ草とも言われていて、毒性が強くて少し触れただけでもかぶれてしまいます。 酷い時にはただれる事もありますので、失礼ながらお止めさせて頂きました」

「ベアトリーチェ殿! 手が__っ!」

「あはは、大丈夫です。 これくらいなら直ぐに治ります」



慌てるリュカさんに笑ってみせた。本当は凄く痛い。思ったよりも葉に触れてしまったらしく、既に赤みが広がり熱を帯びてきている。



「こんな危険な葉を放置するとは……庭師は一体何をしているのやら……。 ルネ王子、いかが致しますか?」



眼鏡をかけた男性が厳しい口調で言った。嫌な感じがする。



「ここの庭師変えてもらおうか」

「かしこま__」

「ま、待ってください!!」



思わず割って入ると眼鏡の男性にギロリと睨まれた。光ってる眼鏡も怖い!





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