求めよ、さらば与えられん
お仕事の邪魔をしてしまわないように、少しだけお話をして薬室長室を後にした。
「ベアトリーチェ殿!」
薬室長室を出た途端名前を呼ばれた。
リュカさん?
「手は大丈夫ですか?」
包帯が巻かれた手を心配そうに見られた。
「全然大丈夫ですよ」
笑って答えると、リュカさんの表情が少し柔らかくなった。ロアナの言う通り素敵な人。
「ロアナに逢いに来られたんですか?」
「いいえ、ベアトリーチェ殿を訪ねて参ったのですが、お休みと伺って出直そうと思っていたところでした。 この後ご予定は空いていらっしゃいますか?」
「空いてますけど……」
「では少しお時間頂けますか?」
「はい」
リュカさんが歩き出したので、私はその隣を歩いた。
怪我が心配で見に来てくれたのかな?
「先日はルネ王子をお守り頂き有難うございました」
「いえ! 守っただなんて大袈裟ですよ!」
「ルネ王子にもしもの事があれば、庭師もただでは済まなかったでしょう。 ルネ王子がご無事だったのも、庭師がお咎めなしなのも貴女のお陰です」
話の感じからして庭師の方はクビにならずに済んだようだ。会った事も無い人だけど、ホッとした。
「ベアトリーチェ殿!」
薬室長室を出た途端名前を呼ばれた。
リュカさん?
「手は大丈夫ですか?」
包帯が巻かれた手を心配そうに見られた。
「全然大丈夫ですよ」
笑って答えると、リュカさんの表情が少し柔らかくなった。ロアナの言う通り素敵な人。
「ロアナに逢いに来られたんですか?」
「いいえ、ベアトリーチェ殿を訪ねて参ったのですが、お休みと伺って出直そうと思っていたところでした。 この後ご予定は空いていらっしゃいますか?」
「空いてますけど……」
「では少しお時間頂けますか?」
「はい」
リュカさんが歩き出したので、私はその隣を歩いた。
怪我が心配で見に来てくれたのかな?
「先日はルネ王子をお守り頂き有難うございました」
「いえ! 守っただなんて大袈裟ですよ!」
「ルネ王子にもしもの事があれば、庭師もただでは済まなかったでしょう。 ルネ王子がご無事だったのも、庭師がお咎めなしなのも貴女のお陰です」
話の感じからして庭師の方はクビにならずに済んだようだ。会った事も無い人だけど、ホッとした。