+小悪魔恋愛+


「ちょっといぢめ過ぎてんじゃない?陸かわいそ〜。っていうか、よくそれで手を出して来ないよね」

「そうでしょ?陸ってオクテなのかなぁ。もう待ちかねてこっちから手出しちゃいそうだよ」

「柚が襲ってどうすんのよ…」



滞りなく進む飲み会の中で、こそこそと話をする私と恵美。

みんな今夜のお相手を探すのに必死で、見てるだけで呆れてくる。



でもホントにそうだよ。

私がこんなにアピールしてるのに、陸は全然近づこうとしてくれない。触れようともしてくれない。

でも、そこに惹かれてるっていうのもあるから…なんとも言えないんだけど。



「もしかして私のこと好きじゃないのかなぁ」

「あ〜、その心配は無いって。陸の行動って周りから見ても分かり過ぎるくらい素直だもん。あれは完全に柚にベタ惚れ」

「うぅ〜、そうかなぁ。そう言ってくれるとちょっと栄養になる。恵美、ありがと」

「どういたしまして。でも柚がさっさと告白しちゃえばそれで済むと思うんだけどね」

「……(汗」



そこはね。

なんていうか、そういうのはちょっと……



「さんざんいぢめるわりには、陸以上の照れ屋なんだから。あんたら見てるともどかし〜」

「うん…私からは絶対無理」



だって、たとえばそれがわずかな確率だったとしても

断られて今みたいに陸と一緒にいれなくなるのは怖いんだもん。



陸から言ってくれたら、私はいつでもOKなのに。





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