【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
襟足を指で下げ、肩よりに唇が当たる。歯が当たり軽く噛まれた。首筋に与えられた軽い痛みは小さなっ電流となって全身を駆け抜ける。肌が粟立ち、思わず身をすくめる。
「み……びさ……」
後ろから伸びた手が顎に回り、親指が下唇をなぞる。
数往復して、顎をつかむ指に力がこもる。
後ろ斜め上を向かされ、唇を塞がれた。割入る雅さんの舌。
熱く絡みつく雅さんの舌を受け入れたいけれど、この上半身をねじった態勢では限度がある。
もっとほしい。
雅さんの胸をかき抱きたいけれど、その手は宙に浮く。
その前に。私は雅さんを欲していいの?
私は雅さんのなに?
こんな熱いキスをくれるのは婚約者だから?
それとも気まぐれ?
わからなくて浮いた手を下ろす。
オフィスの向こう、通路からバタバタと足音がする。雅副社長、雅副社長っ!、という叫び声はだんだん近づいてきて、オフィスのドアを開けた。
雅さんは、とっさにしゃがみ、デスクに隠れる。
「あ、藍本さまっ! 雅副社長はいらっしゃいませんでしたか?」
「い、いえ。ここには」
「そうでしたかっ。エレベーターがこの20階で止まっていたので、つい。失礼いたしましたっ!」
バタン。勢いよくドアは閉められ、通路から再び雅さんを探す唐澤さんの声がした。
「雅さん?」
「ハニー、済まないね」
「あの、どういう……」
「こういうシチュエーションも嫌いじゃない。追われてキスって」
「み……びさ……」
後ろから伸びた手が顎に回り、親指が下唇をなぞる。
数往復して、顎をつかむ指に力がこもる。
後ろ斜め上を向かされ、唇を塞がれた。割入る雅さんの舌。
熱く絡みつく雅さんの舌を受け入れたいけれど、この上半身をねじった態勢では限度がある。
もっとほしい。
雅さんの胸をかき抱きたいけれど、その手は宙に浮く。
その前に。私は雅さんを欲していいの?
私は雅さんのなに?
こんな熱いキスをくれるのは婚約者だから?
それとも気まぐれ?
わからなくて浮いた手を下ろす。
オフィスの向こう、通路からバタバタと足音がする。雅副社長、雅副社長っ!、という叫び声はだんだん近づいてきて、オフィスのドアを開けた。
雅さんは、とっさにしゃがみ、デスクに隠れる。
「あ、藍本さまっ! 雅副社長はいらっしゃいませんでしたか?」
「い、いえ。ここには」
「そうでしたかっ。エレベーターがこの20階で止まっていたので、つい。失礼いたしましたっ!」
バタン。勢いよくドアは閉められ、通路から再び雅さんを探す唐澤さんの声がした。
「雅さん?」
「ハニー、済まないね」
「あの、どういう……」
「こういうシチュエーションも嫌いじゃない。追われてキスって」