【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
§さよならは簡単にできるもので

*―*―*

オフィスにいくと、今日は唐澤さんが入口で待機していた。


「おっはようございまーっす!! 藍本さま、いかがなされましたかっ! チョコホリックタワーパフェ、最高でしたっ! でも今週で終わりなんですよねー。来週からは桜ホリックタワーパフェにメニュー替えなんです。今度はホワイトチョコと桜の塩漬け入りホイップクリームのパフェでして」
「じゃあ今度は咲希さん誘ってみたら?」
「なななな、何をおっしゃるんですかっ!」


耳まで真っ赤にして両手で頭を抱えている。きっとその脳内では咲希さんのベビードール姿がちらついているに違いない。わかりやすい。雅さんもそのくらいわかりやすかったら……。

でも、いい。もう私には関係のないひとになるのだから。


「でね、唐澤さん。今日、雅さんと話がしたいんだけど」
「雅副社長と、ですか?」
「やっぱり無理? ずっと避けられてるしね」
「今日も咲希さんが雅副社長に張り付いておいででして。まあでも、昨日あたりも咲希さん、居眠りをされてて。そこはチャンスかもしれません」
「居眠り?」
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