【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
部屋にそっと入ると、ソファで横になり寝息をたてている咲希さんを見つけた。デスクのランプに照らされた彼女の顔はあどけなく、まだ少女の幼さを残している。
私は彼女を横目に、雅さんの前に立った。
「ハニー、どうしたんだ?」
私の顎をつかみ、ちゅ、と挨拶のキスをする。
「俺のことが恋しくてしかたない、とか?」
「そうでもないけど」
「じゃあ……この子のせい?」
雅さんは私の前から離れると、ソファの前でかがみ、ずり落ちそうになっている毛布を引き上げた。その優しい仕草にどきっとした。それは雅さんの優しい手つきに、と同時に、その優しさが他の女の子に向けられていることに。
「実はね、この子、二階堂オーナーの愛人の子なんだ」
「え?」
「秘書に手を出してできちゃって。その秘書はひとりで育てるって言い張って産んだけど風当たりが強くて、咲希が4歳のときに手放した。二階堂オーナー夫妻が養子に迎えて育てたが、夫人にすれば浮気相手の子どもだからね。夫人からの嫌がらせもあったみたいで。それでも咲希は二階堂夫妻に恩返ししたいからって、こうして」
「そうなんですか」
「資産家の令嬢だけど苦労はしてるよ」
私は彼女を横目に、雅さんの前に立った。
「ハニー、どうしたんだ?」
私の顎をつかみ、ちゅ、と挨拶のキスをする。
「俺のことが恋しくてしかたない、とか?」
「そうでもないけど」
「じゃあ……この子のせい?」
雅さんは私の前から離れると、ソファの前でかがみ、ずり落ちそうになっている毛布を引き上げた。その優しい仕草にどきっとした。それは雅さんの優しい手つきに、と同時に、その優しさが他の女の子に向けられていることに。
「実はね、この子、二階堂オーナーの愛人の子なんだ」
「え?」
「秘書に手を出してできちゃって。その秘書はひとりで育てるって言い張って産んだけど風当たりが強くて、咲希が4歳のときに手放した。二階堂オーナー夫妻が養子に迎えて育てたが、夫人にすれば浮気相手の子どもだからね。夫人からの嫌がらせもあったみたいで。それでも咲希は二階堂夫妻に恩返ししたいからって、こうして」
「そうなんですか」
「資産家の令嬢だけど苦労はしてるよ」