【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
咲希さんに向けられた雅さんの視線に嫉妬する自分。違う見方をすれば嫉妬するほど雅さんは咲希さんに近い場所にいるってことだ。
「雅さんに話があって来ました。別れてください。別れるまえにつきあってもいませんけど」
「ずいぶん物騒だね、ハニー」
「実は橘さん、結婚の話が流れて。よりを戻すことにしました」
「へえ。ハニーは俺のこと好きになったんじゃなかったの?」
「キスに欲情しただけです。本当に雅さんを好きだというわけじゃないですし」
雅さんはソファを離れて私のところに戻ってきた。再び顎を摘ままれ、唇が重なる。くいと顎を下げられ、温かい湿ったものが唇を割る。どうしてこのひとのキスは私を翻弄させるんだろう。優しくて心が暖かくなるキス。好きな人だからこそ、心が動く。
最後のキス。
離れがたくて私は自分から雅さんの首に手を回した。上唇をはみ、下唇をはむ。軽く浮かせて顔の向きを変えて深く交わる。
「紬はそれで幸せか? 本当に幸せなのか?」
「ええ」
「信じられないな」
「雅さんは自信家なんですね」
「そういう意味じゃない。その選択が本当に紬にとって幸せだというなら、俺はキミに失望する」
「え……」
雅さんは私の手をつかむと乱暴に振り下ろした。
目の前には冷酷に光る鋭い瞳。
怒っている?
「雅さんに話があって来ました。別れてください。別れるまえにつきあってもいませんけど」
「ずいぶん物騒だね、ハニー」
「実は橘さん、結婚の話が流れて。よりを戻すことにしました」
「へえ。ハニーは俺のこと好きになったんじゃなかったの?」
「キスに欲情しただけです。本当に雅さんを好きだというわけじゃないですし」
雅さんはソファを離れて私のところに戻ってきた。再び顎を摘ままれ、唇が重なる。くいと顎を下げられ、温かい湿ったものが唇を割る。どうしてこのひとのキスは私を翻弄させるんだろう。優しくて心が暖かくなるキス。好きな人だからこそ、心が動く。
最後のキス。
離れがたくて私は自分から雅さんの首に手を回した。上唇をはみ、下唇をはむ。軽く浮かせて顔の向きを変えて深く交わる。
「紬はそれで幸せか? 本当に幸せなのか?」
「ええ」
「信じられないな」
「雅さんは自信家なんですね」
「そういう意味じゃない。その選択が本当に紬にとって幸せだというなら、俺はキミに失望する」
「え……」
雅さんは私の手をつかむと乱暴に振り下ろした。
目の前には冷酷に光る鋭い瞳。
怒っている?