【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
ここは会社近くのカラオケボックス。夕方とあって部屋はガラガラだ。
「えっと、あのカラオケって……」
「申し訳ありません。私、カラオケが好きなんです。でも父の意向で禁止されていて……。父はカラオケを風俗店の一種と捉えていて、はしたないからやめなさいって。なので唐澤さんがたぶん、気遣ってくださったんだと思います。でも今は歌いませんから。どうぞ」
咲希さんに促されシートに腰掛ける。いまどきの女の子がカラオケ禁止だなんて、令嬢も大変だなと思った。でも普通の女の子なら例え親から禁止されても、内緒で行ったり、うるさい!と口答えしたり、するだろうに。
「そう。二階堂オーナー、そういうのは厳しいんだ」
「いえ。私が行きたいって言えば許してくれると思います。父は私には甘いんです。どちらかと言えば厳しいのは母で。私、実は父の愛人の子どもなんです。生みの母が私を置いて逃げてしまって、それで私は二階堂に引き取られたんです。幸い、父は私を可愛がってくれましたけど母は私が憎いみたいで……。母も辛いと思うんです、だって父の浮気相手の子どもを育ててるんですから。でも育てていただいた恩はあるので、恩返しはしたくて。父が雅さんと私を結婚させたがっているのは薄々感じてました。だから、私、雅さんと結婚したいって父に嘘をつきました。そしたら父も母もすごく喜んでくれて……あとには引けなくなって」
雅さんが言っていた、咲希さんは令嬢でも苦労してる、って。
ん? でも。
「え? ちょっと待って! 嘘って、咲希さんは雅さんのこと」
「兄のように慕っています。でも恋愛感情はないです」
「ええっ? 雅さんを好きなんじゃないの?」
「私、好きな人がいるんです」
「でも私と初めて会ったとき、顔を赤くしてたのは?」
「雅さんに恋の相談に乗ってもらってたので、恥ずかしくて、つい……」
「そう」
「えっと、あのカラオケって……」
「申し訳ありません。私、カラオケが好きなんです。でも父の意向で禁止されていて……。父はカラオケを風俗店の一種と捉えていて、はしたないからやめなさいって。なので唐澤さんがたぶん、気遣ってくださったんだと思います。でも今は歌いませんから。どうぞ」
咲希さんに促されシートに腰掛ける。いまどきの女の子がカラオケ禁止だなんて、令嬢も大変だなと思った。でも普通の女の子なら例え親から禁止されても、内緒で行ったり、うるさい!と口答えしたり、するだろうに。
「そう。二階堂オーナー、そういうのは厳しいんだ」
「いえ。私が行きたいって言えば許してくれると思います。父は私には甘いんです。どちらかと言えば厳しいのは母で。私、実は父の愛人の子どもなんです。生みの母が私を置いて逃げてしまって、それで私は二階堂に引き取られたんです。幸い、父は私を可愛がってくれましたけど母は私が憎いみたいで……。母も辛いと思うんです、だって父の浮気相手の子どもを育ててるんですから。でも育てていただいた恩はあるので、恩返しはしたくて。父が雅さんと私を結婚させたがっているのは薄々感じてました。だから、私、雅さんと結婚したいって父に嘘をつきました。そしたら父も母もすごく喜んでくれて……あとには引けなくなって」
雅さんが言っていた、咲希さんは令嬢でも苦労してる、って。
ん? でも。
「え? ちょっと待って! 嘘って、咲希さんは雅さんのこと」
「兄のように慕っています。でも恋愛感情はないです」
「ええっ? 雅さんを好きなんじゃないの?」
「私、好きな人がいるんです」
「でも私と初めて会ったとき、顔を赤くしてたのは?」
「雅さんに恋の相談に乗ってもらってたので、恥ずかしくて、つい……」
「そう」