【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
雅さんは手を離してクスリと笑う。
「どうしてここに?」
「総務部に名刺を頼んでいてね」
「名刺を。それで7階に……って、そうじゃなくて!」
じゃあこのひと、社員?
今まで顔を合わせたことはない。っていうか、こんな目立つスタイルしてたら名前も所属も知らなくても記憶に残るはずだ。
それなら支社にいたとか? 栄転? どこの支社?
クルクルと推測が頭の中で回転する。
もうこのひとといると、考えてばかりで疲れる。
しかも考えても答えのない憶測ばかり。
当の本人は私の目が泳いでいるのをどこか楽しそうに眺めている。
ポーン。私の勤める地方開発2課のある20階にまもなく到着する。
私の目の前に立っていた雅さんは振り返ると操作パネルの前にいく。こういうところはフェミニストらしい。とりあえず締め切りの迫った資料を作成して、課長に提出して、会議室を予約して……。
「失礼しま……えっ?」
降りようとした瞬間、手首をつかまれた。ぐいと引かれ、エレベーター内に戻される。ドアを開けてくれるんじゃなかったの?
「ちょっと、なにするの!」
「拉致」
「はい?」
「キミも俺と話したいだろ?」
雅さんは閉を押して25を押した。最上階……上層部のフロアだ。扉は閉まり上昇する。
どういうつもり?どういうこと?
私の混乱をよそに、彼は楽しそうな表情で私を見下ろす。
「どうしてここに?」
「総務部に名刺を頼んでいてね」
「名刺を。それで7階に……って、そうじゃなくて!」
じゃあこのひと、社員?
今まで顔を合わせたことはない。っていうか、こんな目立つスタイルしてたら名前も所属も知らなくても記憶に残るはずだ。
それなら支社にいたとか? 栄転? どこの支社?
クルクルと推測が頭の中で回転する。
もうこのひとといると、考えてばかりで疲れる。
しかも考えても答えのない憶測ばかり。
当の本人は私の目が泳いでいるのをどこか楽しそうに眺めている。
ポーン。私の勤める地方開発2課のある20階にまもなく到着する。
私の目の前に立っていた雅さんは振り返ると操作パネルの前にいく。こういうところはフェミニストらしい。とりあえず締め切りの迫った資料を作成して、課長に提出して、会議室を予約して……。
「失礼しま……えっ?」
降りようとした瞬間、手首をつかまれた。ぐいと引かれ、エレベーター内に戻される。ドアを開けてくれるんじゃなかったの?
「ちょっと、なにするの!」
「拉致」
「はい?」
「キミも俺と話したいだろ?」
雅さんは閉を押して25を押した。最上階……上層部のフロアだ。扉は閉まり上昇する。
どういうつもり?どういうこと?
私の混乱をよそに、彼は楽しそうな表情で私を見下ろす。