【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
“え……えっち……もう……”
脳内に今朝の咲希さんの声が蘇る。
「……カワイイ。声、我慢しないで」
そう言ってからもうひとつの頂に歯を当てる。するとミワちゃんは少し声を上げた。
咲希さん……咲希さん……咲……。
もっと鳴いて。もっと感じて。
覆い被さり、肌を重ねる。
衝動に任せて彼女を突き上げる。
オレの背中に手を回したミワちゃんは、しがみついて絶頂を迎えた。
爪、立てていいよ。だからもっとオレに預けて。
咲希さん……咲希さん……咲希ちゃんっ!
ミワちゃんの中で果てた。残ったのは充足感ではなく、虚しさだった。
*―*―*
気だるそうにシーツに絡まるミワちゃんを残してオレはホテルを出た。
なにやってんだろ。終電いっちゃったし、タクシー捕まえなくちゃ。明日も早いし。
今頃、咲希さんは雅副社長とスイートルームで休んでる。寝室は別とは言え、同室だ。仕掛けようと思えば夜這いも可能。
藍本さんという恋敵、しかも婚約者だと紹介されて、咲希さんは背水の陣そのものだ。既成事実を作ってしまえば逆転ホームランだ。