【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
未成年者のご令嬢に手をかけたとなれば、結婚するでしょ、フツー。
オレ、御曹司に生まれたかったわ。でも、金も権力もいらない。

咲希さんさえ、となりにいてくれたら。

「ぐわあああああっ、あーっ!」

オレは深夜のビル街を走り抜けた。



*―*―*


自宅までの10キロの道のりを完走して帰宅した。朝から筋肉痛が体を支配する。

朝はもちろん通常営業。7時に部屋を出てオフィスに行ってメールと稟議書をチェック。雅副社長に確認を取るものピックアップしてタブレットに落とし込む。それからブライアントホテルのスイートルームに向かって、雅副社長に見せる。

雅副社長はスリーピースで1リットルの牛乳パックを片手にタブレットを見る。
牛乳、うまいのかな。いつもパック飲みして、ワイルドっちゃあワイルドなんだけど。

そんな雅副社長をじっと見つめているのは咲希さんだ。今日は着替えを済ませていて、パープルのニットにベージュのパンツだった。彼女には似合わない。あんなバリキャリスタイルの服なんて。背伸びしてる感、ハンパない。


「唐澤、このメールの発信元は四つ葉物産の秘書か?」
「いえっ、新規事業部の副部長ですね! 営業部の話だとやり手と噂のニューフェースです!」
「面談できるかコンタクトを取れ。できれば今日中に」
「かしこまりましたっ!」
「すまないが、面談している間は咲希の面倒をみてくれるか?」
「は、はいっ! もちろんでこざいますっ!!」

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