【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
カーテン越しに届いていた太陽の光は雅さんの顔に隠された。近づく端正な顔、唇。ちゅっと触れるだけのキス。


「紬、おはよう」
「おはようござ、い、ます……ん……」

再び落とされるキス。今度は向きを変えて軽くはまれて。
朝の空気に似つかわしいさわやかなキス。ほんのり柑橘系の香りがした。そういえば昨夜も雅さんはレモンスライスの入ったミネラルウォーターを飲んでいたっけ。

ふと気になる自分の匂い。一晩中愛し合って汗もかいて、私はきっと……。
恥ずかしくなって私は雅さんの胸を押し返した。

「どうしたの?」
「しゃ、シャワーを浴びさせて」
「じゃあ一緒に浴室に行こうか」
「え、ダメです!」
「君に拒否権はないよ」
「どうして?」
「賭けただろう? 唐澤が君も俺もオフにしてるはずだって。唐澤に確認してスケジュール調整済みなら一緒に」
「や……そんな賭けを了承した、覚えは……」
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