【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
オレがボスに仕えるようになってからの知り合いでもある。初めて会ったとき彼女はまだ小学生だった。咲希さんはかわいらしくてお人形みたいで。
モチロン、そのころはまだ恋心なんてなかった。オレが特別な感情を抱くようになったのはこの数年だ。
ボスとともに海外から帰国すると、子どもだった咲希さんはいつの間にか大人っぽくなっていた。
少女と女性の間の、なんというか、歯痒さが残る女の子。さなぎから羽化したばかりのアゲハチョウみたいな。
羽根は柔らかく羽ばたくにはまだ脆くて。
でもそのくせ鮮やかに色めき立って。
飛ぶのをためらう姿に手を差し伸べたくなるけど、触れたらハラハラと壊れてしまいそうな危うさに、声を掛けることすらためらう。