【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔


*―*―*

「藍本さま〜っ! 本日もバリバリバッチリお綺麗ですね!! さすがは間もなく花嫁になられる女性はお美しい!!」


藍本さんのいるフロアに降りてきて、彼女を見つけると開口一番そんな台詞が出た。さすがオレ。


「唐澤さん、テンション高いわね。さては何かあったの?」
「いえいえいえいえ滅相もございません! この唐澤がテンション高いのはデフォルトでございますぅ……う?」


藍本さんが一歩一歩とオレの方に近寄ってくる。
これは藍本さんの必殺技パターン。背中がゾクリとした。すごく痛い上に革靴がだめになる。今日の革靴、まだ新品だ。思わず後ずさりする。

が、すぐ壁に追い詰められた。


「ああああ藍本さまっ、ヒールde革靴潰しはどうかご勘弁をっ!」
「違うわよ。そんな野蛮なことしないから」


野蛮だという自覚はあるんだ。
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