【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
サロンの帰り、ホリックカフェに入った。

客のほとんどは女性。オレは浮きまくって、チラチラと視線を感じるけど、慣れた。

席について巨峰とシャインマスカットの饗宴2タワーホリックパフェを注文して。これに合うっていうダージリンも頼んで。バレーボールみたいに大きなティーポットをシェアしていただく。


「で?」
「春先にですね、合コンで知り合ったミワちゃんがですね……」


洗いざらい、藍本さんに話して。
すっごく呆れられて。


「ふうん?」
「あ、藍本さま! 怒らないから包み隠さず話して、と申されましたよね? ましたよね??」
「言ったけど?」
「ではなぜに負のオーラをまとわれていらっしゃるのですか! 不毛です、この唐澤、不毛過ぎます!! 相談に乗ってくださるとおっしゃられたので包み隠さず申し上げたのにこの塩対応は……」

「まあ、お互い合意の上みたいだしぃ? でも咲希さんには刺激の強い話よねっ、セフレでしょ?」
「セフ……藍本さま!! なんて台詞を!!」


辺りの視線がより痛くなる。
ヒソヒソ囁かれる声も聞こえてきて。


「シーッ、シーッ。と、トーンを落としてください。針のむしろでございます……」
「セフレでしょ? 違うの? 違わないわよねぇ〜」
「うっ」
「セフレねぇ、セフ……」
「も、申し訳ございませんっ!! もう二度といたしません!!」


慌てて頭を下げたら誤って顔がパフェに激突。
パイ投げされたみたいな顔になった。


はああ。
もう二度と咲希さんに会えない気がしてきた。
出口のないトンネルだ。


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