【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
雅さんは深々と頭を下げた。そういえばこのひとがこんなふうに頭を下げるのを見たことはない。なんだか新鮮で、その潔さにちょっと惹かれてしまった。
いや、見取れているところではない!
ひと通り話し終えた二階堂オーナーが私をちらりと見た。雅さんは先ほどのように私を婚約者と紹介する。
「おお、雅くんにそんな女性がいたとは。そうかそうか。式はいつだね」
「まだ決まってはいませんが早いうちに。もちろん、披露宴はブライアントホテルでお願いしたいと思っています」
「じゃあ一番いい会場を取っておこう。もてなしも最高グレードでな」
「ありがとうございます。紬さんからもお礼を申し上げて」
「あ、ありがとうございます」
頭を下げつつ、なんだか大変なことになった、と慌てた。大切な取引先に大嘘をついて、しかも式場予約だなんて。雅さんは何を考えているんだろう。婚約破棄になったとなれば予約した会場をキャンセルすることになるし、雅さんにも傷がつく。
それよりなにより、ご令嬢が雅さんを好きかもしれないのに。
「二階堂さん、実は例の再開発のことで折り入って相談がございます」
「なんだね。君の父親の玄さんには世話になっている。何なりと言いたまえ」
「誘致しているホテルですが、セカンドラインではなく、本家ブライアントホテルをお考えいただけないでしょうか?」
「ブライアントホテルを?」
「はい」
いや、見取れているところではない!
ひと通り話し終えた二階堂オーナーが私をちらりと見た。雅さんは先ほどのように私を婚約者と紹介する。
「おお、雅くんにそんな女性がいたとは。そうかそうか。式はいつだね」
「まだ決まってはいませんが早いうちに。もちろん、披露宴はブライアントホテルでお願いしたいと思っています」
「じゃあ一番いい会場を取っておこう。もてなしも最高グレードでな」
「ありがとうございます。紬さんからもお礼を申し上げて」
「あ、ありがとうございます」
頭を下げつつ、なんだか大変なことになった、と慌てた。大切な取引先に大嘘をついて、しかも式場予約だなんて。雅さんは何を考えているんだろう。婚約破棄になったとなれば予約した会場をキャンセルすることになるし、雅さんにも傷がつく。
それよりなにより、ご令嬢が雅さんを好きかもしれないのに。
「二階堂さん、実は例の再開発のことで折り入って相談がございます」
「なんだね。君の父親の玄さんには世話になっている。何なりと言いたまえ」
「誘致しているホテルですが、セカンドラインではなく、本家ブライアントホテルをお考えいただけないでしょうか?」
「ブライアントホテルを?」
「はい」