【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「わかってない。ちゃんと向き合え。でないとずっとタチバナを引きずることになる」
「だって!」
「先延ばしにするな。同じことだ」
「先延ばし……」
「紬」
“紬”。
目の前にいる雅さんが橘さんの顔と重なる。
初めて会ったのは彼の会社の会議室だった。例の再開発事業が決まって事務レベルでの話し合いが持たれたときだ。入社して2年目の私は初めてのプロジェクト参加に緊張してカチコチに固まっていた。そんなとき、声を掛けてくれたのが橘さんだった。
橘さんの勤める会社は全国にショッピングモールを展開している最大手。うちの三國不動産ホールディングスが発注側だったけれど、そんな状況だったから逆に橘さんにリードされてしまった。
ときどきメールや電話でやりとりをし、打ち合わせのあと夕食をと誘われた。
穏やかで優しい橘さんに惹かれたのは時間の問題だった。つき合い始めたのはしばらくしてから。
つき合いはじめて初めての食事。初めて手をつないで歩道を歩いた。
初めてのキス、初めてのお泊まり。
走馬灯のように蘇る。
1年目、2年目、3年目。
そして今。
「だって!」
「先延ばしにするな。同じことだ」
「先延ばし……」
「紬」
“紬”。
目の前にいる雅さんが橘さんの顔と重なる。
初めて会ったのは彼の会社の会議室だった。例の再開発事業が決まって事務レベルでの話し合いが持たれたときだ。入社して2年目の私は初めてのプロジェクト参加に緊張してカチコチに固まっていた。そんなとき、声を掛けてくれたのが橘さんだった。
橘さんの勤める会社は全国にショッピングモールを展開している最大手。うちの三國不動産ホールディングスが発注側だったけれど、そんな状況だったから逆に橘さんにリードされてしまった。
ときどきメールや電話でやりとりをし、打ち合わせのあと夕食をと誘われた。
穏やかで優しい橘さんに惹かれたのは時間の問題だった。つき合い始めたのはしばらくしてから。
つき合いはじめて初めての食事。初めて手をつないで歩道を歩いた。
初めてのキス、初めてのお泊まり。
走馬灯のように蘇る。
1年目、2年目、3年目。
そして今。