【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「私の、こ……だ、と、好きって、言って……くれた、のに……」
「ああ」
「愛してるって……くれた、のに……」
うわあああ、と泣きわめく私を雅さんはずっと抱きしめてくれていた。
*―*―*
どのくらい、そうしていただろう。ふと気がついて我に返り、雅さんの胸から慌てて離れた。目の前の雅さんのシャツは私の涙と鼻水で湿っていた。しかも口紅やアイカラー、マスカラが混じってものすごい色合いになっていた。
恥ずかしくて雅さんの顔を見たくなかった。うつむいて、くるりとカウンターに向き直る。
「しかし、派手にやってくれたな、ハニー?」
「ごめんなさい。と、とりあえず顔を洗ってきます」
「そうだな。キミのかわいい顔が台無しだ」
そう言って雅さんは私の頭をポンポンとたたくと、そのまま寄せて、こめかみにキスを落とした。
広いバスルームには大きな洗面台があり、備え付けのメイク落としで入念に洗い流す。大きな鏡に映る自分の顔。目は赤くてまぶたも腫れている。でも心なしか、いつもより血色がいい気がする。ほんの少し、肌が明るくなった、というか。
すっぴんでもどると雅さんはソファに腰掛けていた。にやにやと笑いながらこっちを見ている。
「恥ずかしいから見ないで!」
「キミのすっぴんは初めてじゃないけどね」
と、さらりと雅さんは言う。あの朝を思い出して顔が熱くなる。そそくさとカウンターにもどり、ポットをコンロにかける。
「こ、コーヒー、途中でしたね」
「どうする? 部屋は朝まで取ってあるけど」
「え……?」
「俺は帰したくないんだけど」
「はい?」
「ハニーをひとりにするの、心配だから」
「ああ」
「愛してるって……くれた、のに……」
うわあああ、と泣きわめく私を雅さんはずっと抱きしめてくれていた。
*―*―*
どのくらい、そうしていただろう。ふと気がついて我に返り、雅さんの胸から慌てて離れた。目の前の雅さんのシャツは私の涙と鼻水で湿っていた。しかも口紅やアイカラー、マスカラが混じってものすごい色合いになっていた。
恥ずかしくて雅さんの顔を見たくなかった。うつむいて、くるりとカウンターに向き直る。
「しかし、派手にやってくれたな、ハニー?」
「ごめんなさい。と、とりあえず顔を洗ってきます」
「そうだな。キミのかわいい顔が台無しだ」
そう言って雅さんは私の頭をポンポンとたたくと、そのまま寄せて、こめかみにキスを落とした。
広いバスルームには大きな洗面台があり、備え付けのメイク落としで入念に洗い流す。大きな鏡に映る自分の顔。目は赤くてまぶたも腫れている。でも心なしか、いつもより血色がいい気がする。ほんの少し、肌が明るくなった、というか。
すっぴんでもどると雅さんはソファに腰掛けていた。にやにやと笑いながらこっちを見ている。
「恥ずかしいから見ないで!」
「キミのすっぴんは初めてじゃないけどね」
と、さらりと雅さんは言う。あの朝を思い出して顔が熱くなる。そそくさとカウンターにもどり、ポットをコンロにかける。
「こ、コーヒー、途中でしたね」
「どうする? 部屋は朝まで取ってあるけど」
「え……?」
「俺は帰したくないんだけど」
「はい?」
「ハニーをひとりにするの、心配だから」