【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔

ポットから視線をあげて雅さんを見る。心配そうに私を見つめていて。そんなの、反則だ。いや待て。そもそもこの男は泥酔して私をホテルに連れ込んでやった張本人だ。心配なんて言葉、信じてなるものか。


「そんな甘い言葉をかけてだまし討ちとか?」
「ひとりの部屋に帰って思い出したら辛いだろう? だいたい、俺はそこまで飢えてない。この前はハニーから誘われたからね。据え膳食わぬはなんとやらだ」
「嘘」
「なら、賭けてみる? 今夜、俺がキミを襲うか襲わないか。仮に襲われても一度が二度になるだけだろう? 小さな問題だと思うけどね」
「大きな問題です!」


酔って記憶をなくしたなら不可抗力なところはある。でも今夜はちゃんと意識があってこうしている。この状態で流れたなら、言い逃れはできない。


「襲わない。約束する」
「本当に?」
「だから今夜は泊まって。泊まらないなら例の画像を音声付きで……」
「わ、分かったから!」


雅さんは立ち上がって再びカウンターに入ってくる。私のネックレスに指をかけてキスをする。つれたネックレスの細い感触がくすぐったくて、私は首をすくめながら彼のキスを受け入れていた。


*―*―*


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