【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「藍本さま、今朝は顔色がいいですねっ! 昨夜雅副社長と何かいいことをされたんでしょうか?」
「ちょっ……なに言うのっ?!」
「ホテルでエステを受けられたのかと思いまして。あのホテルにはコンテストで優勝されたエステティシャンがいらっしゃるんですよ。スイートルーム宿泊者しか受けられないコースなんかもありまして。スイートルームとルームサービスの予約はこの唐澤がいたしましたが。あれ? エステは受けられてはいないんですか? それともエステとは違ういいことを?……あ、えっ、痛っ、☆§●※▽■〇×?!」
昨日より力を込めて唐澤さんの革靴を踏んづけた。よほど効いたのか彼は目尻に涙を浮かべ、膝を折り、反対の手でつま先を押さえた。きっと彼には悪気はない。いいこと=男女のあれ、ではなくてサプリメントを摂取したとかミストサウナに入ったとか、彼の言わんとするものは健全ななにかのことなんだろうけど、聞いてる周りの社員たちはそうは取ってない。一部はくすくすと笑い、一部はあからさまに嫌そうな顔をしている。
別の意味での勘違い男だ!
もう、雅さんはどうしてこんな男を秘書にしておくのっ!
「で、今日はなんの用事?」
「本日の藍本さまのご予定をお伝えに参りました!」
「雅さんの秘書がどうして私の管理をするの?」
「藍本さまは雅副社長の婚約者ですから、副社長の秘書であるこの私めがスケジュール管理させていただきますっ!」